Uncategorized

Uncategorized

No.340【イニシャティブ】

そのホテルの宴会課が出す料理は確かに旨かった。特に〈洋食部門〉は秀逸であった。ホテルの宴会料理というものは、1度に多くの料理を作らなければならないので、上手く仕上げるには相当の熟練技術とセンスが要求された。それでいて実に旨い料理を出している...
Uncategorized

No.339【邂逅の夏⑥】

〈お見合い〉の後、僕はすぐに東京に引き返した。ところが僕には東京で悠長に過ごしている時間などは与えられなかった。2人の気持ちが変わらないうちにこの縁談を纏めたいと思う双方の両親の話の進め方は電光石火であった。8月に〈お見合い〉をしたばかりな...
Uncategorized

No.338【邂逅の夏⑤】

結婚を勝手に決めてしまった2人とは言え、それでも緊張した雰囲気を隠せなかったのは仕方の無いことであった。ついさっき会ったばかりなのだから・・・レストランを出た後、映画でも観に行こうかということになり、路面電車に乗って繁華街にやってきた。僕は...
Uncategorized

No.337【邂逅の夏④】

レストランに入ってはみたものの、彼女は下を向いて黙ったままである。彼女に訊いてみた。「あの~・・なに食べましょうか?」「はい、なんでもいいです」想定内の返事が返ってくる。「・・じゃぁ・・エビフライが付いてるAランチでいいですか?」「はい、A...
Uncategorized

No.336【邂逅の夏③】

だいいち〈お見合い〉で話が盛り上る訳がないのである。「・・・・・・・」「・・・・」すると、肩が凝りそうな空気を打ち破るように、その家の奥さんが大きな声で提案をした。「はいはいっ❗️ねぇ!ここで座っててもしょうがないから、2人にはどっか外にで...
Uncategorized

No.335【邂逅の夏➁】

仕方なく遠い田舎に帰って来た僕は、とうとう〈お見合い〉をする羽目になってしまった。大体が、皆んな自由に恋愛をして結婚していく時代なのに、親同士のお膳立てで見知らぬ男と女が「はい、こんにちは!」なんて、おかしくってやってられないのだ。・・・・...
Uncategorized

No.334【邂逅の夏①】

この話はあまりしたくはないのだが・・・〈note〉にカミングアウトすることにする・・・もう数十年も昔のことだ。若い頃は恋愛も経験したのだけれども、その恋愛の顛末は悲恋に終ってしまった。僕はもう恋愛は出来ないだろうと思っていたし、結婚という考...
Uncategorized

No.333【カップ麺】

〈カップ麺〉が無性に食べたくなることがある。今や〈カップ麺〉は国民食として定着し、その文化は外国にまで強い影響を与えている。多くの製造メーカーが幾種類もの〈カップ麺〉を発売している中にあって、やはり〈カップ麺〉の元祖メーカーが販売し続けてい...
Uncategorized

No.332【赤ちゃんの返品】

赤ちゃんの時の長男は物凄く可愛いかった。また馬鹿親が親バカ言ってやがるとお思いだろうが、事実なのだからしょうがない。もしも本当に不細工な赤ちゃんだったら、神に誓って不細工だと言い切るので許して欲しい。そんな可愛い長男にも欠点があった・・・そ...
Uncategorized

No.331【好みの違い】

次男は小さい時から少し変わった子ではあったが、成人した今でもそれが継続されている。例えば、好みの〈女性のタイプ〉だ。普通、アイドルグループの〈〇〇〇48〉や〈〇〇〇46〉での人気者と言えばセンターを中心とした数人である。ところが次男の場合は...