2022-09

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No.326【試着】

「父さんもタマには着るもの買えばぁ?」家内がそう言うので買い物に出掛けた。2人が行った所は、品質と安さで人気のある大手アパレルショップだった。その日は僕の物を買いに来たのに、店に入るや家内は女物のコーナーの方へスッ飛んで行く。《なんだよぉ・...
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No.325【危機一髪】

夢を見た。親戚の叔母さんと言おうかお婆さんと言おうか、その叔母さんと一緒に寝た夢である。そして、こともあろうに、僕はその叔母さんと〈しなければ〉ならないというシチュエーションなのだ。〈夢〉は非情だ。〈夢〉の世界には容赦もヘッタクレもないのだ...
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No.324【色白】

僕は色白だ。自分で言うのもなんだが、若い頃は体型も綺麗で〈脛毛〉も殆んど生えていなかったので、風呂に入った時などは、湯船の中の白く美しい、丸で女のような美脚に、自分がウットリとして興奮しかねないような有り様だった。さてある時、友達の部屋で野...
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No.323【ハイキング】

小学校5年生の時である。5年生と言えども、男子も女子も異性にはもうスッカリ興味を持っている年頃なのは当然であった。無論、女子のほうが断然早熟ではあるのだが・・・男子はと言えば、5年生になってもまだスカート捲りをするヤツがいるくらいだったのだ...
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No.322【付け合わせ】

今朝は珍しく家内が卵焼きとソーセージを焼いてくれた。普段は僕が焼くことが多いのだ。まぁ、趣味のようなものである。いつも思うのだが、単純な卵料理ほど作り手によって味の変わる料理はない。卵焼きは人それぞれ入れる調味料の種類や量が異なるのだし、焼...
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No.321【ボクシング】

コロナコロナとテレビが連日報道している。思わず家内に愚痴った。「コロナの影響でソーシャルディスタンスとか言ってさぁ・・何もかも成り立たんよなぁ」「そうだよねぇ・・なんかネット見てたら、煽り過ぎって意見もあるみたいね」「そうそう・・お陰でなん...
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No.320【ノルマの代償】

ファミレスでのアルバイトも数ヶ月が経ったころ、世間にはクリスマスの季節が近づいていた。大した手当てが付く訳でもないのに、その店舗でも〈クリスマスケーキ〉の予約販売が開始されていて、社員は勿論のこと僕達アルバイトにまで〈ノルマ〉が掛けられた。...
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No.319【ソーセージ】

ウチでは朝食にソーセージと目玉焼きを付けることが多い。そして僕が作ることが日課みたいになっている。その日も作ろうとしたが、ソーセージが切れていたので家内に訊いてみた。「お~い!ソーセージが無いぞぉ~」「あっ!ごめんなさい。昨日買うの忘れたの...
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No.318【大車輪】

高校の県大会予選に出たことがある。僕は体操部に入っていた。2年生なのだが団体戦のレギュラーメンバーとしてその大会に出場した。・・・・・・・〈床運動〉〈跳馬〉と試合は順調に進んでいって〈鉄棒〉の演技の時間がやってきた。団体戦は4名1チームで競...
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No.317【ホルモン】

家内がシンクで食器を洗っていた。洗い物の中に小さなステンレス製のボールが混じっている。それを手に取って言った。「ねぇねぇ父さん。父さんが大腸を手術した時ね、手術のあと、丁度こんな感じのボールにさぁ、切った父さんの大腸を入れてね、家族に見せて...