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No.320【ノルマの代償】

ファミレスでのアルバイトも数ヶ月が経ったころ、世間にはクリスマスの季節が近づいていた。大した手当てが付く訳でもないのに、その店舗でも〈クリスマスケーキ〉の予約販売が開始されていて、社員は勿論のこと僕達アルバイトにまで〈ノルマ〉が掛けられた。...
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No.319【ソーセージ】

ウチでは朝食にソーセージと目玉焼きを付けることが多い。そして僕が作ることが日課みたいになっている。その日も作ろうとしたが、ソーセージが切れていたので家内に訊いてみた。「お~い!ソーセージが無いぞぉ~」「あっ!ごめんなさい。昨日買うの忘れたの...
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No.318【大車輪】

高校の県大会予選に出たことがある。僕は体操部に入っていた。2年生なのだが団体戦のレギュラーメンバーとしてその大会に出場した。・・・・・・・〈床運動〉〈跳馬〉と試合は順調に進んでいって〈鉄棒〉の演技の時間がやってきた。団体戦は4名1チームで競...
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No.317【ホルモン】

家内がシンクで食器を洗っていた。洗い物の中に小さなステンレス製のボールが混じっている。それを手に取って言った。「ねぇねぇ父さん。父さんが大腸を手術した時ね、手術のあと、丁度こんな感じのボールにさぁ、切った父さんの大腸を入れてね、家族に見せて...
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No.316【壺】

その友達とはよく遊んでいた。〈ビー玉〉や〈かくれんぼ〉や〈キャッチボール〉に飽きたら、皆んなでよくソイツん家に行っては〈トランプ〉や〈ボードゲーム〉をして遊んだ。ソイツん家は〈呉服屋〉をやっていたので、店の玄関から入ることは遠慮して、いつも...
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No.315【妻のサービス】

家内が帰って来た。「ただいま~・・・」普段と違ってなんだかしおらしい。《絶対なんかあるなっ!》「お帰り~・・・なんかやったんだろっ?・・クルマにキズでも付けたんじゃないだろうな?」「ごめんなさい・・・でもアタシじゃないよっ❗️買い物が終わっ...
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No.314【追越禁止】

僕がトイレに行こうとすると家内が遮った。「えっ!父さんウ〇コ?ちょっと待って!アタシが先にオ〇ッコ行く~ッ❗️」そう言うやソソクサとトイレに駆け込んで行った。追越禁止違反である。そうしていつもギリギリまで我慢するから膀胱炎になるのである。
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No.313【戒律とビール】

随分むかしのことになるのだが、日本で〈アジア大会〉というスポーツの祭典が開催されたことがある。僕はその時、各国の選手団に食事を提供するという仕事をしたことがあった。市内の何ヶ所かに選手村が設けてあって、その中の1つの施設で〈韓国〉〈サウジア...
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No.312【来世の人】

世間では、凄い美女がどうでもいいような醜男と結婚することがある。どう見ても釣り合ってはいない。家内に訊いてみた。「おい、男の何が良くて結婚するんだろうか?優しさかぁ?金かぁ?・・それとも、アレかぁ?」「またバカなこと言ってぇ~・・まぁ、アレ...
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No.311【修学旅行の夜】

その先生は、中学の社会科の先生の中では非常に人気のある先生であった。顎髭や口髭が濃くて、剃り痕がいつも青々としていた。どうして人気があったのかというと授業が面白いからだった。今でもそうかもしれないが、社会科の、特に歴史の授業なんて、年号と出...