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No.80【駅】

少年時代に住んでいた街の駅には複数の路線が集まっていて、空港風に言えば、そこはちょっとしたハブ空港のような駅で、広い構内には沢山の線路が入り交っていた。当時は蒸気機関車全盛の時代で、貨物の牽引等にディーゼル機関車がたまに見受けられたくらいだ...
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No.79【重いハンドル】

その女性はピアノやエレクトーンの講師をしていて、楽器店の教室や個人レッスンの生徒宅に行くのにマイカーを使っていた。レッスンが終わったある日、他に予定もないので、そのまま自宅に帰ることにした彼女はクルマに乗り込んで発進させた。・・・・・・・・...
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No.78【MR2の女】

まだ日本の景気が良かった頃だ。バブルに浮かれてひとりの女の子がMR2を買った。ところがある日のことMR2が動かなくなってしまったのだった。いくらセルを廻してもエンジンが掛からない。やがてバッテリーも上がってしまった。PHSが繋がったので彼女...
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No.77【缶酎ハイの女】

家内は結構な酒好きである。特に缶酎ハイが好きである。普段はアルコール度数が5%の物を飲んでいるのだが、ある日、気まぐれで買ってきた度数9%の酎ハイをグビグビ飲んだあとに家内が言った。「プッハ~ッ!こりゃ旨いわ!今まで飲んでたの、馬のションベ...
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No.76【ラジコン機】

浜松の遠州灘には中田島砂丘という所があって、休日ともなると大勢のラジコンマニアがやって来て飛行機を飛ばしていた。初心者からベテランまで色々な「パイロット」がいた。ラジコンクラブの会長が操縦する零戦は、それは華麗な飛行を披露してギャラリーの喝...
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No.75【承認】

先日、娘が結婚した。結婚式には新郎に抱っこされた黒ポメラニアンも参加した。娘の愛犬だ。「私よりも黒ポメを大事にしてくれる彼が大好き」そう言って憚らない娘である。普通は黒ポメにヤキモチを妬きそうなもんだが、娘の心は奇怪千万。参列者全員の祝福と...
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No.74【美女のオモテナシ】

台湾の観光バスの窓ガラスはサングラスになっていて、南国の強い陽射しを遮ってくれていた。外から冷房が効いた車内に返ってくる度に生き返ったような気持ちになったものだ。中正紀念堂・龍山寺・圓山大飯店・故宮博物院などの名所旧跡を巡っているのだが、バ...
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No.73【ロータスヨーロッパ】

クルマ好きの友人が、遂に、憧れのロータスヨーロッパを手に入れた。それはイギリス本国仕様の「スペシャル」と呼ばれている右ハンドル車だった。黒いボディはFRPで出来ていて軽量を極めている。縁にはスペシャルを示す金色のラインが施されていた。車高が...
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No.72【絶対に当たる馬券】

ホテルのバックヤードは競馬の話で盛り上がっていた。「最近ちっとも当たんねぇなぁ。穴狙い止めちまおうかなぁオレ」Aは無類の競馬好きなのだが、近頃予想が外れてばかりで不満を漏らしていた。もとより博打なんて当たらないものと決まってはいるのだが・・...
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No.71【おんな友達の助言】

この話だけは《絶対に》投稿するなと家内に釘を刺されているのだが、投稿することにする。それは家内が中学生の時の話である。ある日、学校で予定よりも早く生理がきてしまった家内は、ナプキンを持ってきていなかったので友達に相談してみた。「ねぇ〇子、私...