2025-04

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アーカイブNo.8【オレにまかせろ】

勤めていたホテルは有名なシティホテルだったので、役員はといえば、大企業の幹部や政治家につながるような大物ばかりだった。そのホテルでは、何ヶ月かに一度の割り合いで役員会が開かれていて、その都度10名ばかりの役員が集まっていた。その日は役員会の...
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アーカイブNo.7【とまりますボタン】

バスに乗っていたら、男子学生二人の会話が耳に入ってきた。「オレ、こないだバスに乗ってたらさぁ」「あぁ」「おばあさんが降りようとしてボタンを押そうとしているわけよ」「うん」「でもなぁ、おばあさん、背が低いんでボタンに手が届かないんだ」「ふん」...
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No.1994【出発の朝】

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アーカイブNo.6【幽霊とピアノ】

若かりし頃、私はあるピアノメーカーの調律師を養成する学校に生徒として在籍していた。ある日の講義でのこと、先生は、誰もいない音楽室から夜な夜なピアノの音がするので調べて欲しい旨の依頼があったという話をし始めたのだ。早速、問題の音楽室に出向いて...
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アーカイブNo.5【茶碗蒸しと政治家】

ホテルの政治家パーティーでの出来事である。プログラムも終盤にさし掛かり、盛り上がった支持者の拍手の中を、先生は手を振りニコニコしながら退席していた。その側を、出し遅れた茶碗蒸をトレイいっぱいに乗せた係員が通り過ぎようとしたのだが、ツマづいて...
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No.1993【グローバリズム論】

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アーカイブNo.4【たまごっち】

幼い〇君はお母さんと二人暮らしです。お父さんがいないので家は貧乏でした。その頃、子供たちの間では「たまごっち」が流行っていましたが、お母さんの苦労を知っている〇君は「たまごっちを買って」とは決して言いませんでした。ある時、お母さんの職場に電...
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アーカイブNo.3【祝辞】

随分むかしの話です。あるホテルで、反社会的団体の結婚披露宴が執り行われました。参列者の席次表の肩書きのほとんどには「新郎の友人」と書いてあります。媒酌人の挨拶が終わって、続いて司会者に促がされた「松のテーブルの新郎の友人」は席を立ち、肩を左右に大きく揺すりながらマイクの前に着きました。そして「・・・のぉ‼️・・今日は目出度いのぉ‼️・・のぉ❗️」と言い放つやサッサと自分の席に返ってしまいました。
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No.1992【反日の真実】

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アーカイブNo.2【676番のクルマ】

彼女と別れて何年になるのだろうか。帰ってきてはいけない故郷の懐かしい道で、僕は自転車のペダルを漕いでいた。暫くすると前方から一台のクルマがやってきたのだが、すれ違う瞬間に身体に電流が走った。「676番」のそのクルマは、別れた彼女とよくドライ...