No.464【授業参観】 Uncategorized X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.11.01 長男が中学の時、1度だけ授業参観に行ったとこがある。家内に、どうしてもキャンセルが出来ない約束事があったからだ。何にでも時間に余裕を持って動く僕は、家内の「そんなに早く行かなくてもいいのに」という言葉を尻目に、その日も早目に家を出た。・・・・・・・さて、学校に着いたのだが、親御さん達の姿が見えない・・もう授業が始まっているのにまだ誰も来ていないのだ。案内状の説明を見ても参観する授業や時間にも間違いはない。廊下で突っ立っているのも変なので、教室の後ろの引戸を開けて恐る恐る中に入った。2~3人の生徒が振り向く。僕は黒板の前で講義している先生に軽い会釈で挨拶したのだが、恥ずかしさと緊張で〈参観〉をするどころではなかった。10分~15分も経っただろうか、1人、また1人とお母さん方が教室に入って来はじめた。やっと独りから解放されたのだが、今度は、男が僕1人だけだという、別の緊張感に苛まれることになってしまった。後からやって来る親御さん総てが〈お母さん〉だったのだ。目立つなんてものではないのだ。大勢のお母さん方の中に男親がたった1人・・・《あの人、誰のお父さんかしら》などと全員に勘ぐられては好き勝手に評価されているに違いない。いくら後悔しても、もう後の祭りだった。・・・・・・・「今日の参観日、緊張したよ。男は父さん独りだったんだからなぁ」晩御飯の時にひとこと愚痴ったら息子が言うのだった。「父さん、〇〇君のお父さん、男前って皆んなが言ってたよ~」「当ったりメ~よ~っ❗️」などと強がりを言いながら、問題はあくまでも、お母さん達からの評価が気になって仕方がない僕なのであった。
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