No.647【シェリーちゃん】

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義姉の従妹にシェリーちゃんという女の子がいた。

義姉の叔母にあたるシェリーちゃんの母親は、娘時代に広島県の呉市に住んでいたのだが、駐留する在日米陸軍の兵士と恋仲になり国際結婚をした人である。

若い頃、僕はシェリーちゃんに1度だけ会ったことがある。彼女が7・8歳の頃だったと思う。お父さんが白人でお母さんが日本人のハーフなのだが、東洋系が強い顔立ちの兄ロバート君とは違って、妹のシェリーちゃんは全く白人の顔立ちだった。

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そんなシェリーちゃんの話をしていたら家内が訊いてきた。

「父さん、シェリーちゃんって超可愛いかったって言うけど、どんな感じの子だったの?」

「そりゃ可愛いってもんじゃないよ❗️子役モデル並だったなぁ」

「そんなにぃ~っ❗️」

「あぁ・・例えばぁ・・アメリカで可愛い女の子が殺された〈ベンジョネ殺害事件〉っちゅうのがあっただろ」

「ベンジョネ❓️・・・あぁそれなら、ジョンベネちゃんでしょ❗️便所にしてどうすんのよ」

「おぉそうそうジョンベネちゃんだ。なんかおかしいと思ったよ。そのジョンベネちゃんにソックリなんだよ、シェリーちゃん」

「えぇ~~っ❗️そんなに美人なの~~ぉ?」

「あぁ・・だからさぁ、その美貌を使って、あんなちっちゃい頃から男を手玉に取ってたみたいだぞ」

「えっ?どういうこと?」

「シェリーちゃんの母親のお兄さん、義姉さんのお父さんだ。つまり、日本側の叔父さん。その叔父さんにシェリーちゃんが言うんだそうだ」

「なんて言うの?」

「アンクゥー〇〇・・」

「アンクゥー?」

「アンクル、叔父さんのことだ。おじさんの〇〇って名前を呼ぶわけよ」

「ははぁ、〇〇叔父さんってことね」

「そうそう、英語でアンクゥー〇〇ってなる訳だ・・で、アンクゥー〇〇・・あっ日本語もペラペラなんだぞ、シェリーちゃん。で、アンクゥー〇〇❗️階段の上までオンブしてくれたら結婚してあげる~だってさ。公園を歩いてて疲れたんだよ」

「んまっ!色仕掛けじゃん❗️」

オンブをしてもらうためには美貌を武器として使うことをチッとも厭わないシェリーちゃんなのであった。

これは、当事者である義姉のお父さんから直接聞いた話だ。

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だから、特に女の子の場合は子供だと思って侮ってはならないのだ。

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そう言えば、もうじき2歳になるウチの孫も相当ブリッコをする。男の子のくせに、今からあれだけ媚びを売るなんて・・・ありゃぁシェリーちゃんを凌駕しているかもしれないぞ❗️

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