No.772【和菓子と洋菓子】

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餡をパイ生地で包んだ饅頭を食べた・・そして僕は思った。

パイは西洋のもの、餡は日本のもの・・・

〈このお菓子は和菓子なのか・・洋菓子なのか・・・〉

そう言えば〈チーズ〉とか〈牛乳〉を使った「和菓子」が多いし、和食料理にも同じようなことが言えるのかもしれない。

例えば〈京菓子〉や〈懐石料理〉のように伝統を重んじるものもあれば、基本的な作り方は変わらずとも、躊躇ためらうことなく西洋の素材を使う和食料理人もいる。

昔から他国の文化を取り入れて「和」と融合させるのは日本人の得意とするところではあるが、本来の「和文化」が少なからず薄れていくことを心配するのだ。

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そもそも明治維新以後、西洋文化を是とし、ザン切り頭に洋服をトレンドとした日本人である。

西洋文化がハイカラだという観念が定着した結果、日本古来の〈着物文化〉までが消滅の危機に瀕している様な有り様なのである。

だから〈和菓子〉だって〈羽織袴〉に〈革靴〉を履いたみたいになっていったのかもしれない。

そしてそれは美味しいんだからと言って、喜んでばかりでいいことなのだろうか・・・

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ここで時代は大きく遡って〈明治維新〉の話になる。

大航海時代、イギリスは世界中を植民地にし、中国を〈アヘン〉でボロボロにして侵略した。ところが、なぜ同じアジアの日本にだけ優しかったのか?

イギリスから〈アヘン〉を買えなかったペリーは、日本近海の鯨を捕りたいがために、日本に黒船恫喝外交を迫って燃料と食料の補給を狙った。

艦砲射撃の威力にビビった幕府。

一方、2度のアヘン戦争で〈兵〉を失ったイギリスはアヘンを受け入れない〈徳川幕府〉に手を焼いていた。

そこで、裏で「外様の薩長」に手を回し、金と武器を与えて支援する。そして彼等を利用して、アヘンに否定的な〈幕府〉を倒したんだという解釈もあるのだ。

今日こんにちでは〈明治維新〉を金科玉条きんかぎょくじょうとする解釈に大きな疑問を投げ掛ける歴史家などが台頭してきているのだ。

坂本龍馬は日本初の会社〈亀山社中〉を立ち上げて僅か3年で、なぜ軍艦を買うことが出来たのか?龍馬が武器購入に使った金の額面は92.400両と言われる。その金は誰が出したのか?龍馬ほどアチコチ動き回った人はいない。土佐藩を脱藩した素浪人にそんな金があったのか?さすればその旅費は誰が出したのか・・・?

そう言えば・・龍馬は誰が暗殺したのだろうか?

列強の支援で誕生した〈新生日本〉は「富国強兵路線」を歩み、列強の思惑通りに〈ロシア〉を打ち負かした。日本はイギリスのアヘン戦略にこそ屈しなかったが、イギリスのために一生懸命に〈戦争〉をしたのである。

日本を操った〈黒幕〉・・・

日本への侵略は、すでに〈明治〉以前から始まっていたのではなかろうか・・・

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福沢諭吉が西洋文化を大いに称賛し、日本に西洋文化が雪崩れ込んで来たのは周知の事実である。

明治から日本人は西洋至上主義になっていったことは否めないのだ。日本は明治から文化を侵略され始めたのかもしれない。

江戸城無血開城から始まる〈明治維新〉という革命は、果たして誰が何のためにおこなったのだろうか・・・

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パイ生地の饅頭を食べながら、ふとそんなことを思ったのである。

「饅頭1個、そんな小難しいことなんか考えずにサッサと食べなさいよ❗️」

なんて家内の声が聞えてきそうである。

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