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No.191【音】

数年前、大腸癌手術をしたので、僕の大腸は元の長さよりも10cmほど短い。小さなポリープのような初期の癌だったのだが、他への転移を防ぐために、癌がある箇所を10cm切除して、また縫い合わせてある。大腸が10cm短いことが原因なのだろう。腸内に...
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No.190【ジョギング】

最近、家内と2人で朝のジョギングを始めた。家の周りを1周するだけの簡単なものなのだが、中年には、それくらいのことでもハッハッ!っと息が切れるくらいに結構こたえるのだ。走っていると、胸と腹の脂肪が痛いくらいにズンズン揺れる。「ハッハッハッ!お...
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No.189【ゲゲゲ道の師範】

日曜日の朝〈ゲゲゲの鬼太郎〉が始まる時間なのに家内がテレビを見ようとしない。あれほど欠かさずに見ていた〈ゲゲゲの鬼太郎〉だ。時間になっても見ようとしないので家内に訊いてみた。「あれ?今日は〈ゲゲゲの鬼太郎〉見んのかぁ?」「先週が最終回、もう...
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No.188【鴉】

伯父の趣味は猟銃で山鳥を撃つことだった。狩猟免許を取ってポインターという猟犬を3頭飼っていた。伯父の家に遊びに行った時には、玄関先の檻で飼われている大きなポインターが、小学生の僕にはとても怖かったことを覚えている。撃ってきた山鳥をタマに持っ...
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No.187【男子の事情】

男の下着には〈トランクスタイプ〉とか〈ブリーフタイプ〉とか、最近では〈ボクサーパンツ〉なんてのもある。当然、それぞれに長所と短所がある。〈トランクス系〉はユッタリと解放感があって楽なのだが、アレが股の仕切りのどっちに行こうかと迷ってしまうと...
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No.186【猫娘】

家内は、日曜日の朝に放送される〈ゲゲゲの鬼太郎〉だけは必ず見る。特にアニメが好きだという訳でもないのだが、テレビの前に座って、それだけは欠かさずに絶対に見るのだ。〈ゲゲゲの鬼太郎アニメ〉は初期から数えると6期目になるらしい。思うに〈サザエさ...
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No.185【見舞い】

母が若い頃である。親戚の義叔父さんが〈痔瘻〉で入院したというので御見舞いに行くことになった。「お義母さん、ちょっと義叔父さんのところへ御見舞いに行ってきます」「あぁ頼むわ、よろしゅう言っといてねぇ」母は、近くに嫁いでいる義妹を誘って2人で病...
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No.184【ツバメの子】

僕が小学生の時である。ウチには毎年ツバメがやってきては軒先に巣を作っていた。卵が孵化すると、数羽の雛が黄色い嘴を大きく開けては親鳥が運んでくる餌を食べた。よく食べるので糞もよくした。だから巣の下に敷いてある段ボールが、取り替えても取り替えて...
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No.183【会えない婚約者」

親戚に、近々結婚を控えている女の子がいる。けれども〈新型コロナウィルス〉のせいで、双方の親からデート禁止令が出されたために、隣同士の県なのだが、念のために移動は止めとけという訳なのだ。・・・・・・・「〇〇ちゃん、◆◆くんに会えなくて淋しいよ...
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No.182【鵜飼の芸者】

僕が生まれ育った街には〈鵜飼い〉という伝統行事があった。何百年も続いている夏の風物詩だ。鵜舟に鵜匠が乗って、糸をつけた沢山の鵜を操っては、松明の明かりに寄ってきた鮎やウグイなどの魚を捕るという古くからの漁法だ。僕は高校の夏休みに、その〈鵜飼...