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No.22【回収係】

小学校で検便があった。当時は今とは違って、小さなビニール袋に木のヘラで便を入れて輪ゴムで口を縛り、さらに名前を書いた付属の紙袋にそれを入れて封をするというものだった。回収係が大きな紙袋を持って前から順に検便袋を集めていくのだが、子供といえど...
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No.21【買い物】

幼稚園年中の息子を連れてスーパーに買い物に来ていた。息子はチョロチョロしていたが、何かを見つけたのか、トコトコトコッ!と走ってピタリと立ち止まり、誰かを指差して大声で叫んだ。「あっ‼️おとうさんが大好きな〇〇先生だ~っ‼️」以後、僕は一度も...
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No.20【キャンドルサービス】

披露宴の進行は順調に進んでキャンドルサービスが始まろうとしていた。最近のキャンドルはガストーチ型が多いのだが、当時はロウソクを使うことが多かった。「皆様、ご歓談中のところではございますが、新郎新婦のキャンドルサービスの準備が整ったようでござ...
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No.19【傘】

放課後の小学校は雨だった。友達が傘立ての横で傘を拡げようとしている。なかなか開かないので、彼は背中のランドセルを降ろして、柄を力一杯に引っ張った。「キ~~ン‼️」といって柄が抜けた。
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No.18【逃げる女】

「ちょっと待って~っ!待ってよ~っ!なんで逃げるのよ~っ!」「ダメ~ッ❗️今日はスッピンだからダメ~ッ‼️」スーパーに買い物に来ていた主婦は友達に逃げられてしまった。
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No.17【スピード違反のクルマ】

友人に誘われてドライブを楽しんでいたら、後ろから物凄いスピードでクルマが迫ってきた。と思ったら、そのクルマはウィンカーも出さずに黄色い中央線を越えて我々のクルマを追い越していったのだ。後ろからはサイレンを鳴らしながら白バイがそのクルマを追い...
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No.16【冬の日のランチ】

当時、カップヌードルは発売されて間もない頃だったので、まだ珍しくてちょっとした特別感があったものだ。その日は大変に寒くて、店の窓から見える外の景色は雪で真っ白だった。ガラッ!と引き戸を開けて馴染み客のおじさんが入ってきたのだが、手にはカップ...
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No.15【赤いバスタオル】

当時の子供たちは、夏休みになると友達とよく川に泳ぎに行っていた。今のように危険だからダメ、などというような決まりもなかったので、夕方まで泳いだり魚を追いかけたりしたものである。「お~い。そろそろ帰ろうやぁ」遊び疲れた誰かが声をあげる。「そう...
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No.14【五円切手】

私が中学生のころは、おばあちゃんが店番をしている煙草屋がまだあった。そして、煙草屋では葉書や切手も扱っていたものだ。ある日、私は父親のお使いで「わかば」を買いに煙草屋に来ていた。そこへ、人の良さそうな作業服のおじさんがやってきて言った。「お...
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No.13【傷めた腰】

後頭部がストンと真っ直ぐだったため、彼は小学校の時から「絶壁頭のゼツゴロウ」と呼ばれていたが、当時はさらに酷い渾名であっても許される空気があって、みんな好き勝手な渾名を付け合っていたものである。ゼツゴロウもニコニコとその渾名を受け入れていた...