〈ガチャガチャ〉が子供向けだったのは過去のことである。今では1000円や3000円のガチャも登場したりして、ターゲットがほぼ大人になってしまった感がある。
出張中のある日、スーパーのフードコートでランチを食べたあと駐車場のクルマに戻ろうと店内を歩いていたところ、１角に〈ガチャコーナー〉があって、実に沢山の〈ガチャ〉が並んでいた。
チョッと興味を引かれたので、足を止めてどんな景品があるのかを確認することにした。
ズラ～ッ❗️と並んだ〈ガチャガチャ〉の景品は、その殆んどが大人向けであった。
〈動物のフィギュア系〉
〈猫のパロディ系〉
〈恐竜系〉
〈ミニチュア系〉
〈キノコ〉
〈パン系〉
〈目玉焼き〉
〈ラーメン系〉・・・
などの、大人が欲しくなるような多種多様の〈ガチャ〉がヅラリと並んでいるのだ。
その中の１つに〈アジの開きガチャ〉があったので大いに興味をソソられた僕はやってみることにした。
その〈アジの開きガチャ〉の景品には、アジ以外の〈キンメ鯛の開き〉〈ホタテ貝の開き〉〈サンマの開き〉の種類がラインナップされている。
それらは化繊の布で出来ており、ファスナーを閉めたり開けたりすることで、開かない魚と開きの魚になるという面白いものなのだ。ホタテ貝の場合は、貝殻が閉じた状態と開いた状態になる訳であった。
中でも絶対に欲しいのが〈アジの開き〉だ。１歩譲って〈キンメ鯛の開き〉というところか・・・
ファスナーを開くと、忠実に再現された身や骨が印刷された面が出てきて、実にいい味を出しているのである。どうしても〈アジの開き〉が欲しくなった。
早速￥300―を入れてレバーを回す。
「ガチャガチャッ！」
「コトッ！」
カプセルが出てくる・・・開けてみる・・〈サンマの開き〉だ。
また￥300―を入れてレバーを回す。
「ガチャガチャッ！」
「コトッ！」
カプセルが出てくる・・・開けてみる・・また〈サンマの開き〉だ。
またまた￥300―を投入してレバーを回す。
「ガチャガチャッ！」
「コトッ！」
今度は〈ホタテ貝〉だ。
肝心な〈アジの開き〉が出てこないじゃないか❗️
計５回も挑戦したのだが〈サンマの開き〉が４個、〈ホタテ貝〉が１個という結果に終ってしまい、さすがに６回目の挑戦は諦めた。
結局〈アジの開き〉や〈キンメ鯛の開き〉に未練タラタラでその場を立ち去らなければならなかった。
・・・・・・・
出張から帰って来くると〈サンマの開き〉を１個だけ残して、後は皆んなに配ってやった。
それからというもの、スーパーやショッピングモールに行く度に、〈ガチャガチャ〉コーナーで〈アジの開きガチャ〉を探すのだが、出張先のあのスーパー以外のどこにも見当たらないのだ。だから益々〈アジの開き〉が欲しくなるばかりなのであった。
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