No.369【媒酌人】

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その時、僕はバックヤードにいた。

宴会場では披露宴が行われているのだが、新郎新婦の入場も終って、そろそろ媒酌人の挨拶が始まろうとしていた。

司会者が媒酌人に挨拶の開始を促す誘導アナウンスをしている。バックヤードにも声が洩れ聴こえるのだ。

やがて場内では媒酌人の挨拶が始まったようであった。

すると裏のドアが開いて、中に居なければならないセコンド担当の同僚が、小走りでバックヤードに戻ってきたのである。

彼は腹を抱えて笑っている。何事かと思って訊いてみた。

「おいっ❗️お前さぁ、中に居て椅子引きしなきゃいけないんだぞ、なにやってんだよ」

件の彼はナンとか笑いを堪えてこう言った。

「・・だってさぁ・・俺が媒酌人を立たせる時にさぁ、しゃがんで椅子引きしてたらさぁ・・クククッ!・・俺の顔の前で〈ブッ❗️》って屁~こいたんだぜぇ❗️」

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