No.14【五円切手】

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私が中学生のころは、おばあちゃんが店番をしている煙草屋がまだあった。そして、煙草屋では葉書や切手も扱っていたものだ。
ある日、私は父親のお使いで「わかば」を買いに煙草屋に来ていた。そこへ、人の良さそうな作業服のおじさんがやってきて言った。
「おばさん!五円切手はなんぼかいの?」
「五円切手は五円よの」
店番のおばあちゃんは上目遣いでそう言った。

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