No.433【妻の帰宅①】 Uncategorized X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.10.24 クルマが帰って来た音がした。家内が、彼女の愛車〈スズキセルボ〉で帰って来たようだ。玄関で靴を脱ぐ気配がする。「・・・ただいま・・・」居間の襖を開けてそう言ったままつっ立っている。なにやら元気が無い。何か言いたそうで言いかねている。僕はすぐに察しがついた。「なんかあったんだろっ!・・・あっ❗️クルマぶつけたんじゃないだろうなっ❗️どうせキズでも付けてきたんだろっ❗️」「・・・・・・左のバンパーがカパッ!と外れて・・」図星なのである。長年夫婦をやっているとすぐに分かるのだ。「わざとじゃないよっ❗️向こうが寄ってきたから・・」家内はすぐに自己弁護の言い訳をする。「なにやってんだよっ❗️いっつもキズ付けるよなぁ!」そう言って僕はすぐにクルマを見に行った。家内が言った通りに、左のバンパーのリップスポイラーが無惨にもカパッ!と剥がれているではないか!「何回キズ付けりゃ気が済むんじゃ❗️」ブツブツと僕の小言は暫く続く。・・・・・・・《まぁいいか・・・怪我もせずに元気で帰って来てくれたんだし、相手とぶつかった訳でもないしなぁ~》そう思ったのは、翌日の朝だった。
コメント