No.470【知らせ】

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これは家内の知人が体験した話である。

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その知人は70歳過ぎの女性で、独り暮らしをしている。年齢も年齢なので、昼間にウトウトすることも珍しくはないのだった。

ところが、ある時期から寝ている間に同じ夢を見るようになったのだという。どういう訳か昼間にだけその夢を見るらしい。

その夢とはこうだ。

《 数年前に亡くなった主人が出てきて窓越しに奥さんを見詰めている。死んだ愛犬も出て来て奥さんの回りを駆け回る ご主人は窓の外から奥さんを見詰めていて部屋には入らず、犬は奥さんの近くまで来てジャレるという》

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そんなことが続いていたある日、女友達から電話が掛かってきた。

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「 もしもしっ!最近さぁ、アタシ、あんたの亡くなった主人が夢に出て来てるのよぉ・・『女房が骨折をして痛がっているので可哀想だ。あんた、女房に、ワシが心配しているから電話をしてくれんか?』って言うのよ。あんた骨折してんの?」

その女性は霊感が強い人だった。

「えぇっ?アタシも毎日主人の夢見るのよ!えっ?骨折?・・うん、こないだチョッと転んで足を骨折したのよ・・幸いそんなに大したことじゃなかったんだけどネ」

そして、実は長いこと仏壇の扉も閉めたまま放ったらかしにしていたこと、また、犬の〈お骨〉も棚に上げたままにしていることも打ち明けて、霊感の強い彼女の意見を求めたのだった。

「ダメよっ!仏壇すぐに綺麗に掃除して毎日供養しなきゃ・・旦那さん、骨折を心配してるんだから、早く仏壇に報告して安心させてあげなさいよ」

と、仏壇を供養することを薦められたのである。

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忠告を受けた彼女は、次の日に仏壇を綺麗に掃除して、早速供養を始めたのだった。

以来、主人は一切、夢に出なくなった。

そう言えば、夢の中で主人が窓の外にいたけれども、あれは仏壇に閉じ込められていたから、私の枕元まで来ることが出来なかったのかもしれないし、優しい主人だったから、アタシを怖がらせないように、昼間に出て来てくれたんだなぁと、ふとそう思った彼女だった。

そして、犬の〈お骨〉は特に供養する必要はないと言われていたのに、棚の上に置きっぱなしにしておくことに良心の呵責を覚えたのか、彼女は庭に穴を掘って埋めてやったそうである。

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