No.511【アナゴ】

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家内が、新鮮な活アナゴを貰ってきた。開いた状態のものなのだが、調理の仕方が分からない。

「父さん、これどうやって料理したらいいのぉ?」

「えぇ~っ? 僕に訊かれても分からんよ・・・YouTubeで検索してみたらいいじゃないか」

「アタシ、アナゴで手がヌルヌルだから、父さんパソコンで探してよ~・・デカイ画面のほうがスマホより分かり易いでしょ」

「ホイホイ」

早速パソコンのYouTubeを開いて検索する。

「お~い!〈アナゴの蒲焼き〉でええかぁ?」

「・・・そうねぇ、蒲焼きいいかもね」

キーボードを打つ。

〈あ・な・ご・の・か・ば・や・き・・(変換)・・アナゴの蒲焼き・・(検索)・・〉

すると、色々なアナゴ料理のサムネが出てきた。

「・・・おい出たぞぉ・・〈穴子のふっくら煮〉ってヤツもあるけど、これどうかいな? 握り寿司のネタみたいな感じのヤツじゃ、旨そうだぞ」

「あっ!それいいねぇ・・ふっくら煮にしようかぁ・・じゃ、それ見て勉強する~」

早速2人で見てみた。

・・・・・・・・・

それは3分程度の動画だった。

家内は「ふんふん」と頷きながら見入っていたが、なんとか納得した様子である。キッチンに戻った家内はやる気満々だ。

「よしっ!任せなさい❗️」

「どれどれ、ちょっとお手並み拝見といこうか!」

僕は家内の調理を側で見ることにした。

・・・・・・・

「父さん、始めに湯を掛けろって言ってたよね」
湯が沸いたヤカンを手に取った家内が言う。

「そうそう」

「はい、じゃぁ掛けま~す」

と言うやアナゴの開き身にタップリと湯を掛けた。

「わっ❗️身の方に掛けてどうするんじゃっ❗️」

「えっ?ダメなん? 早く言ってよ~っ❗️」

「ひっくり返すと思うじゃないか、動画見てたんだろっ!・・皮の方に掛けなきゃぁ・・皮の滑りを取るって言ってたじゃないか~」

結果、身の方に火が通って真っ白になってしまった。せっかくの活アナゴが台無しだ。

丁寧な動画を見たにも拘わらず、あまり学習はしていなかったのであった。

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