No.522【お裾分け】 Uncategorized X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.11.19 〈公営住宅〉に住んでいた時期がある。ある日の夕方、玄関のチャイムが鳴った。「ピンポ~ン!」すぐに家内が応対に出る。「は~~い!」ドアを開けると、ギラギラと輝く1匹の〈太刀魚〉を片手にぶら提げた女性が立っている。同じ棟に住んでいる奥さんだった。奥さんが言う。「あの~、主人が釣ってきたんですけど、〈太刀魚〉・・食べますぅ~?」「まぁ~立派な〈太刀魚〉ですねぇ❗️食べますよ~ありがとうございます~」すると言葉が返ってきた。「300円です」「・・・は?・・・・・」「300円です」「・・あっ!はいはい!チョッと待って下さいね。今、お金を取ってきますから・・ね」食べると言った以上、今さら断る訳にもいかない。なんとも言えない空気の中で、家内は仕方なく300円を手渡して〈太刀魚〉を受け取ったのだった。・・・・・・・その奥さんは、少し変わったところがある人だという噂は流れていたのだが・・・チョッと変わり過ぎていた。
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