No.589【指揮者】

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オーケストラを激しい動作で指揮する指揮者を見ていると、いつかはタクトの先端が目に刺さるんじゃないかと思っていつも心配になってしまう。

ひょっとしたら過去にはそんな事故があったんじゃないかと思って検索してみた。すると以下のような結果が出た。

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指揮者が登場したのは〈バロック時代〉の、管楽器・弦楽器・打楽器が合奏する、規模の大きな音楽が生まれてからだという説がある。全員を纏めるために、「せーの」で演奏を開始したのが始まりらしい。

そして、当時は作曲家自らが演奏と指揮者を兼ねていたことから、仮に作曲家がバイオリン奏者なら、弓を指揮棒替わりにして指揮をとっていたという訳だ。

やがて指揮だけに専念する〈指揮者〉の地位が確立されてくると、金属で出来た杖のような〈指揮棒〉で、床を叩きながら指揮をとるようになる。

ある時、ジャン・バティスト・リュリという指揮者が金属製の重い指揮棒を、床にガンガン叩き付けながら指揮をとっていたところ、こともあろうに誤って自分の足を突いてしまい、それが原因で破傷風に罹って死亡してしまう。

だから指揮棒が刺さったという事故があるにはあったようだが、刺さった箇所が〈眼〉ではなくて〈足〉だったという話なのである。

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