No.619【急転直下】

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小学校の修学旅行では、山口県の秋芳洞や北九州の小倉に行った。

2泊3日の日程も無事終えて、小倉から蒸気機関車が引く鈍行列車に乗って帰っている時であった。教頭先生がやって来て僕を褒めて下さったのだ。

「君かぁ? 小遣いを1銭も使わなかったっていうのは・・」

「はい・・そうです・・」

欲しいプラモデルがあったから使わなかっただけなのに、なんで褒められるんだろうと不思議に思いながらも有頂天になった僕は、列車の窓から顔を出してはしゃいだ。

途端にたった今褒めてくれた教頭先生が鬼の形相になって怒った。

「コラ~ッ❗️窓から顔を出す奴があるかぁ❗️危ないじゃないか❗️」

急転直下の〈雷〉が落ちてしまった。

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