No.629【娘のオメデタ】

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嫁いだ娘から〈オメデタ〉の知らせが届いた。

もう少しで3ヶ月目に入るのだが、悪阻が酷くて食欲がないという。大事をとって2泊3日の入院をした。コロナ禍が尾を引いている関係上から面会が制限されているのだが、夫と母親だけは面会可能ということなので、家内が面会に行ってきた。
帰ってきた家内が様子を伝える。

「〇〇ちゃん、チョッとは食べられるようになったって~っ!ハーゲンダッツを半分以上食べたし、グレープフルーツも食べたし」

「そりゃ良かったなぁ」

「旦那が物凄く優しくしてくれるんで嬉しいんだけど、なんだか怖いって言ってたわ」

「そりゃ別の女と浮気をしてるのを隠すための演技かもしれんぞぉ~・・そういう意味の怖さか?」

「もう~なんてこと言うの❗️父さん❗️・・でも、気味が悪いくらい優しいんだって言ってたわ」

「冗談冗談❗️★★くんに限って、そりゃないな。ま、不安になるくらい幸せだっちゅうことだよ、ワハハハッ❗️」

娘に対しても、連れ子のポメラニアンに対しても、本当に優しく接してくれるお婿さんには、感謝しかない我々夫婦であった。

娘が言ったそうだ。

「わたし、幸せ過ぎるんだけど、前世、どんな徳を積んできたんだろう・・?」

僕の祖母、娘からすると曾祖母ちゃんは、随分と苦労をした人だった。苦労をしながら嫁いできた家を支え続けてきた人だった。

家内に言った。

「おばあちゃんの生まれ変わりかもしれんなぁ・・」

「きっとそうだね・・」

その徳を持って生まれ変わってきたのが娘に違いないと・・ふとそう思ったのだ。

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