No.690【若鶏むすび】

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家内と2人で、数十キロ離れた街にドライブを兼ねて買い物に出掛けた。

有名なおむすび屋の〈若鶏むすび〉を買うのが目的なのだが、それはその街の駅ビルの中で売っている。

おむすび屋には、市内に数店舗の支店があるのだが、駐車場の関係から駅ビル店が好都合なのだ。

・・・・・・・

クルマは駅のある大通りにやって来た。大きなビルやホテルが建ち並ぶ大通りはクルマの往来も激しい。

やがて、前方右手に目指す駅ビルが見えてきた。遠回りになるのだが、もう少し先にある右折車線から、一旦右折して駅のロータリーに入って1周し、そこから左折して駅ビルの横にある屋上駐車場の入り口まで戻らなければならない。

ところが、1つ手前の右折レーン辺りで、運良く対向車がいなくなって対向車線に隙間が出来たのだ。チャンスとばかりに強引に対向車線に出てUターンをし、駐車場に入ろうとしたその時である。

対向車の中に混じっていたパトカーがサイレントを鳴らしながら僕のクルマを追跡してきたのだ。

かなりヤバいUターンだったので何もなければいいがと思ってはいた。

「おっ❗️捕まったかも知れんぞ」

「えぇ~っ❓️なにやってんのよ❗️父さんはっ❗️」

「後ろを付いてきやがった❗️」

「前にパトカーいたよぉ~見てなかったのぉ❓️」

「見えてなかったよぉ」

「もぉ~~高い〈お弁当〉になるわねぇ」

観念してクルマをとめて待っているとパトカーから若い警官が降りてきて運転席のガラスをノックした。窓を開けると警官が言う。

「今のところはUターン禁止なんですよねぇ」

「あぁそうなんですか・・で、どうしましょ?このまま駐車場に上がりますか?」

「はい、ここじゃ他のクルマに迷惑ですからそうして下さい。後をついて上がりますから・・上で青色キップを切りましょう」

僕はクルマを発進させて入り口で駐車券を取って螺旋状の道路を屋上の駐車場へと上がっていった。

駐車枡へクルマを止めて待っていると、パトカーから先程の若い警官が降りてきて再び僕のクルマまでやってきた。

窓越しに免許証を手渡すと、警官は生年月日や携帯番号やらを訊いて一旦パトカーのほうへ戻っていった。

暫くして青色キップなどを手にした警官がこっちに戻っくると、それらに住所とサインを書けと要求する。

サインが終るとタマタマ持っていた印鑑を捺印して違反の処理が終了した。

まぁ、勿論いい気はしなかったのだが、どういう訳か、今回は妙に腹が立たなかったのだ。何故かと言えば、財布に結構なお金を持っていて心に余裕があったからなのだ。

家内に言った。

「大丈夫❗️今日は落ち込んでないからな、しょうがないよ。さ、なんか美味いもんでも食って、お土産の〈おむすび弁当〉買って帰ろうか?」

僕の態度に家内も少し安心したようだった。

「せっかく来たんだからね。じゃ行こうか❗️」

・・・・・・・

結局、罰金が¥6.000―、減点が1点だったのだが、これから3ヶ月の間いい子ちゃんでいたら、減点の1点も消えて免許証期限も5年のままらしい。

思えばいつぞやもパトカーの目の前でUターンしてとっ捕まったことがあったよなぁ・・・

こんなことなら、僕のクルマ自体を「 Uターン禁止」にしたほうが良さそうである。

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