No.123【運転免許証】

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運転免許証の更新をするために「運転免許センター」に行った。
若い時に趣味で大型免許を取っていたので、視力検査時に〈深視力検査〉も受けなければならない。
〈深視力検査〉というのは物体と物体との間隔が認識出来ているかどうかの検査である。
検査器の窓を覗くと、写真のように黒い棒が3本見える。その中の真ん中の1本だけが前後に往復して動いているのだが、被検者はその動く棒が左右の棒と横1列に並んだ瞬間に手元のスイッチボタンを押して試験官に知らせなければならないのだ。
無論、視力がいいほうが合わせ易いのに決まっているのだが、視力がいいからといって、そう簡単に合うというものでもないという、実に厄介な検査なのだ。しかも3回連続して合わないと合格が貰えない。
私は真ん中の動く棒を凝視しながら、ここぞと思うところでボタンを押す。
《カチッ!》
「合ってませんよ~・・真ん中の棒が左右の棒と並んだ時に押すんですよ~」
試験官が説明をしてくれる。そんなことは百も承知なのだがトボケて返事をする。
「あぁそうなんですか、分かりました~」
《カチッ!》
「はい!」
《カチッ!》
「はい、いいですよ。あと1回!」
《よしっ行け~っカチッ!》
「あぁダメですね。最初からやり直しです」
何回かやり直しをした後になんとか3回合わせることが出来て、やっと合格を貰ったのだった。
・・・・・・
こうして晴れて更新を完了したのだが、受け取った新しい免許証の顔写真は恐ろしく不細工に写っていた。
(写真は引用でイメージです)

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