No.217【巻き寿司】

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〈巻き寿司〉を巻いた。

〈ばら寿司〉や〈ちらし寿司〉は家内の担当なのだが、巻き寿司は僕が巻くことになっているのだ。タマには〈握り寿司〉を握ったりもする。いつもは程々の海苔を使うのだが、その日の巻き寿司に使った海苔は、あまり上等な物ではなかった。

下準備が出来たところで、早速、巻き始める。巻き簀に敷いたの海苔の上に、ノリしろを残して酢飯を均等に乗せていく。そこに、それぞれ細長く切ってある、胡瓜・干瓢・卵焼き・マグロの赤身などの具材を乗せて巻いていくのだ。キツく巻くと、乾いてきた時に海苔が突っ張って破れてしまうので、緩めに巻かなくてはならない。そうして何本か巻いた端から、家内が適当な厚さで小口切りをしていく。

ところが、小口切りした巻き寿司の海苔が裂けて、酢飯と具材がパカ~ッっと花が咲くように拡がってバラバラになってしまうのだ。

「お父さん、この海苔ダメじゃん!切れてバラバラんなるよ~」

家内が、自分の切り方は棚に上げて海苔のせいにしている。

「下手だなぁ、サッっと一気にいかないとダメだろ~」

「じゃぁ、お父さん切ってみてよ」

仕方がないので僕も切ってみた。

「・・・・」

海苔が切れてバラバラになった。

「キャハハハッ!ホラ~ッ❗️切れた~」

家内がそれ見たことかと喜ぶ。

「ん?・・」

ふと、まだ切っていない巻き寿司に目がいった。見ると、海苔に縦のヒビが入っている。これでは小口切りした時に海苔が切れるはずだ。安物の海苔はやっぱり安物なのだった。

海苔のお陰で、家内に一本取られてしまった。

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