No.221【河豚のヒレ酒】

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〈河豚のヒレ酒〉を貰った。下関のメーカーだから本物だ。もっとも本場下関では(フグ)とは呼ばない。濁さずに(フク)という。縁起かつぎだ。

見た感じは日本酒のワンカップなのだが、中には香ばしく焼いた河豚のヒレが入っている。裏側ラベルに飲み方の説明が書いてあった。

《キャップを少し開けて、湯煎で2分、電子レンジで3分ほど温めて、ヒレを取り出してから御召し上がり下さい。》

《フンフン・・・》

電子レンジで温めることにした。

・・・・・・・

「チ~~~ン!」

持てないくらいに熱くなったカップを取り出して蓋を剥がし、中で泳いでいる河豚ヒレを箸で取り出す。口のほうからカップにもっていって少し啜ってみる。

「あちっ!・・・おっ!旨い❗️旨いぞこれは・・・飲んでみ」

家内にも薦めた。

「うん、飲んでみるけど、このヒレ捨てるの?」
「ああ、食べろとは書いてなかったぞ」
「えぇ~勿体ないわねぇ、あたし食べる」

そう言うやパクッっと口の中に放り込んだ。

「おっ!柔らかくて日本酒の薫りがツンとくるよ。香ばしくて美味しいわぁ」

実は家内は、鯖や鮭などの焼き魚の皮や、鶏肉の皮などが大好物の〈皮好き女〉なのだ。幼少の頃から〈食べ物は粗末にするな〉という、親の厳しい仕付けの元に育ってきた女なのだ。それは素晴らしいことなのだが、遂に河豚のヒレまで喰ってしまった。

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