No.236【ポメラニアン】

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娘夫婦が飼っている〈黒ポメラニアン〉をタマに預かることがある。

いつ来てもいいように、ウチには〈ケージ〉が備えてある。

名前は〈のあ〉という。

この〈のあ君〉、ひとつ困った癖がある。それは、自分のウンチを食べることだ。

〈のあ君〉は散歩中にはウンチもオシッコもしない座敷犬だ。

いつもケージの中でウンチをするのだが、ウンチをする時には全く目が離せない。ポロポロポロッ!と4・5個のウンチを出したかと思うや、アッと言う間に食べてしまうからだ。気が付いて止めさせようとすると《ウ゛ウ゛ウ゛~》と本気噛みをしてくる始末だ。

暴れる〈のあ君〉を抱え上げた時に、2個でも3個でもウンチが残っていればまだいいほうなのだ。

そして、ウンチ臭いその口で我々の顔やら口やらをやたらに舐め回してくれるのだから堪ったもんではない。

・・・・・・

「のあ」を超可愛がっている娘婿君も、さすがに《ウンチ君》と呼び始めたらしい。

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