No.294【ささやかな願い】

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家内は結構イケる口なので、そんなに沢山の量ではないのだが、ほぼ毎晩、ビール系や焼酎を何かで割ったものを呑んでいる。

僕もビール系から始まって、焼酎のロックやウヰスキーの水割りなんかを呑んでいる。

若い頃にファミリーレストランでアルバイトをしたし、後にはシティホテル勤務でウェイターをやったこともある。スナックバーの常連客でもあったし、飲食の接客やサービスに関しては割りと詳しい知識と経験を、僕は持っているつもりでいる。

けれども〈医者の無養生〉と言おうか、はたまた〈紺屋の白袴〉とでも言おうか、我が家で食べたり呑んだりする時には、仕事場じゃないんだから、当然、シチ面倒臭い接客作法やサービスなどは全く忘れて寛ぐ訳である。

さて、世の〈奥様方〉にも色々なタイプがあろうというものだが、ウチの家内である。家内は、僕が神経質で小まめな分、朗らか・・過ぎる性分の女なのだ。

だから〈晩酌〉では自分の飲み物は自分で勝手に作って呑むのだが、僕が家内のを作って「どうぞ」ということはあっても、家内が僕のを作って「はいどうぞ」なんてことは無いのである。

僕が神経質だから僕の飲み物にはアンタッチャブルだと思っているのかもしれないが、せめて、自然な感じで〈おかわり〉の一杯くらいは作ってくれたらいいなぁ~と思うのだ。

1週間でもいいからスナックでアルバイトでもしてきたら〈水割り〉の1杯でも作ってくれるようになるのだろうか?

いやいや、顔の問題はさて置いても年齢制限で不採用だな。

僕の思いをもしも家内に進言しようものなら・・

〈アタシがクラブのママのようにお酒の勧め方が上手かったら、父さんは呑み過ぎて肝臓を壊すかもしれないからこれでいいの❗️〉

なんて絶対に言われそうだな・・

どうやら、ささやかな願いは一生叶えられそうにない。

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