No.301【沖縄の古民家】

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那覇空港に降り立った家族を出迎えてくれたのは、ロビーの天井にブラ下がった〈めんそーれ〉と書かれた歓迎の看板だった。

初めて訪れた沖縄は天候に恵まれて、空は透き通るように青い。そして1月だというのに気温が24℃もあって本土が真冬であることを忘れさせた。

恩納村の〈万座毛〉うるま市の〈ビオスの丘〉〈名護パイナップルパーク〉などの観光地をバスで巡りながら、断崖絶壁の景色や亜熱帯植物などを見たり、完熟のパイナップルを食べたりして大いに楽しんだ。

時折、観光バスの窓から見えるサトウキビ畑の風景が沖縄らしさをいっそう感じさせるのだった。

〈名護パイナップルパーク〉を出たバスは次の目的地である、テーマパーク〈琉球村〉を目指した。〈琉球村〉は恩納村にあるらしいが、オンナソンって、女ばかりが住んでいる村だったりすると男は堪らんなぁ、などと品の無い妄想をしてニヤけてしまうのだった。

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〈琉球村〉の前の駐車場は沢山の観光バスやクルマで溢れていて、多くの観光客で賑わっていた。

バスを降りて入場口に行くまでに多くの観光客とすれ違うのだが、彼等が話す言葉の殆んどが日本語ではなかった。外国からの観光客が実に多い。

受付を済ませて中に入ると、広い敷地内の一画に数軒の沖縄の古民家が立ち並んでいる。

古民家には仲宗根家とか玉城家などの沖縄らしい名前の表札が掛かっている。写真で見たことがあるような、周りが塀で囲まれた、入り口正面前にも壁のある、あの沖縄の古民家だ。屋根瓦の何ヵ所かには〈シーサー〉が座っている。

そう言えば、バスからの沖縄の街並みには、白っぽいコンクリートの四角い家ばかりが建っていて、こんな家は見なかったように思う。そうかぁ、屋根にシーサーがいるような沖縄の民家は昔の家屋だったんだと、その時に初めて気が付いたのだった。

そして沖縄の古民家を目の当たりにすると、いよいよ沖縄に来たんだなぁと実感するのであった。

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敷地内の奥の方には別料金の〈ハブ館〉があって、昔は〈ハブとマングースの決闘ショー〉をやっていたそうであるが、現在では動物愛護の観点から行われていないのが少し残念だった。

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やがて古民家の前の広場では、〈沖縄躍り〉の説明が始まり、観光客は三線の音と沖縄民謡の声に合わせて躍り始める。僕は恥ずかしいので辞退したが、家内は両手を上に上げて、楽しそうに躍りまくっていた。

見るもの触れるもの総てが沖縄を感じさせる。

古民家の中の土間で、沖縄の〈オバァ〉が揚げた〈サーターアンダギー〉を食べながら、家族旅行を沖縄に決めて良かったなぁと思う僕なのであった。

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