No.303【視線の先】 Uncategorized X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.09.26 従妹の娘は幼少のころから〈霊感〉が強かった。家の中でも学校でも、結構〈見える〉んだと言っていた。そんな彼女も成人して〈保育士〉になり、ある保育所で先生として働くことになった。・・・・・・・ある日の〈お遊戯〉の時間だった。お遊戯室に園児を集めて指導をしていた時である。1人の男子園児が、皆んなとは違う方向の壁に向かって、少し上向き加減で誰かと話をしているのに気が付いたのだ。・・・・・・・〈お遊戯〉の時間が終わって教室に帰ろうとしていた彼女のところに、一緒にお遊戯の指導をしていた先輩保育士と同僚保育士の2人がやってきた。先輩が言う。「ねぇねぇ、さっきの〇〇くん見たぁ?」同僚も言う。「壁に向かって誰かと話してたでしょ?そう見えたんだけど気のせいかなぁ?」「そうそう、話してたよね・・」霊感が強い彼女も同意したのだが、男の子の前に立っていた〈黒い影〉の存在について話すことはなかった。
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