No.266【枕の修繕】

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愛用している枕なのだが、どうも最近シックリこない。頭が沈みすぎて首を傷めてしまった。

寝ていて首筋を傷めることはタマにはあることなのだが、今回のは特に酷くて、それこそ首が回らないのだ。

僕の枕は〈蕎麦殻〉の替わりにストローを小さく切ったような樹脂が枕の布袋に詰め込んであるタイプのものだ。

そこで、袋の端を少し縫って絞ってやると高さが上がって、多少は首が楽になるかもしれないと思ったので家内に頼んだ。

「お~い、枕の高さを上げたらチヨッとは楽んなるかもしれんから枕の端を縫ってくれんかぁ?」

「あぁ~そうね、これ、もうだいぶベターッってなってるもんね」

「端を5センチ幅くらい縫ったらどうかいな」

「そうしてみようね」

家内はそう言うと、枕を持って部屋を出ていった。

・・・・・・・

暫くして枕を抱えた家内が戻ってきた。

「父さ~ん!出来たよ~チョッと寝てみてよ」

「おぉ~早かったなぁ、アリガトな」

お礼を言いつつ枕を受け取った時に気付いた。

「おい、これファスナーの内側が縫ってあるけど・・」

「うん、なんか問題ある~?」

「あるもなにも、これじゃぁ中の樹脂を出したり入れたり出来んじゃないか・・樹脂を閉じ込めて〈お手玉〉みたいにまん丸にしてどうすんの・・高さの調整が出来んぞ・・・こっち側のファスナーの付てないほうを縫やあよかったのに・・・」

「・・・・・もう~っ❗️せっかく縫ったのにっ❗️ダメだったら新しいの買やいいじゃん❗️」

スネてしまった。

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