No.356【ドッジボール】

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小学校ではよく〈ドッジボール〉をして遊んだ。

ところで最近の小学校では〈ドッジボール〉をするのだろうか・・そんな話はあまり聞いたことがないし、〈ドッジボール〉自体が小学生に認知されているのかどうかも知らない・・・

〈ドッジボール〉は体育館でもグラウンドでも出来るのだが、屋内でやるためには、床にテープを貼ってコートを作らなければならないので、やるのは専らグラウンドだった。白線引きなどは不要で、足か棒切れで線を引けばOKなのだ。

コートを真上から見ると、大きな長方形があって、真ん中にセンターラインがある。そして、長方形の内側全体にもうひとつの長方形を引いてコートが完成する。長方形と長方形の間に出来た細長いスペースに〈アウト〉になった人が入る訳なのだ。

ゲームは〈アウトスペース〉の内側にあるお互いの広い陣地に両チームが入り、センターラインを中央にして敵対する。

仮に20人の人がいれば10人づつに別れてゲームを始めるのだ。

当時のポールはバレーボールを柔らかくしたようなゴム製のボールだった。

基本はそのボールを相手に投げ付けてアウトを取り、陣地内の敵の数を減らすことが目的になる。

アウトになった人は相手陣地側の周りにある〈アウトゾーン〉に入ってそこから敵を攻撃することになるのだ。味方陣地からからパスされたボールを敵に横取りされないように受けとらなければならない。

敵が投げ付けてきたボールが体に当たり、跳ねたボールが地面に落ちれば、当てられた人がアウトになる。

危険球として頭に当たった場合は、投げた方が反則アウトになる。

体に当たったボールが空中に跳ねて、それを当てられた本人や味方がノーバウンドでキャッチした場合はセーフになる。

また投げられたボールをキャッチした場合も無論セーフだ。

そうして、陣地から陣地に攻撃したり、相手側のアウトゾーンにいる味方にボールをパスしてそこから攻撃を仕掛けたりしてゲームが進む。

アウトゾーンの人間が敵陣地の人間をアウトにすると、生き返って本陣に復帰出来るから、アウトゾーンの人間にも力が入った。

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さて当時、クラスの中には〈ドッジボールの天才〉が2人いた。

1人は簡単にはアウトを取らせてくれないボールキャッチ猛者。

もう1人がボールを投げて攻撃すると100%アウトを取るという名人だ。

前者はどこに投げてもキャッチする天才であり、後者は逃げる敵の、体重の掛かった軸足の膝の下を、そこから視線を外して狙って投げるという達人だった。コッチを見ていないのだから予測が不可能だし、仮に膝下にボールが飛んで来るのが分かったとしても、瞬間、体重が掛かった方の足を目掛けて投げてくるのだから足が動かせず避けられないのだ。

2人はそれぞれが〈攻〉と〈守〉のエキスパートなのだ。だからクラスを2つに分けてチームを作る時は、必ず別々のチームに振り分けられる。彼らが1つのチームに入ってしまうと強過ぎて試合にならないのだ。

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そう言えば冬のある寒い日にこんなことがあった。

僕たちのクラスの担任は、優しい女の先生だった。

「はいっ!今日は寒いので、授業の代わりに外に出てドッジボールをして暖まりましょう❗️」

先生がそう言うと、皆んな大喜びでグラウンドに飛び出して行ったものである。国語の授業の替わりが急に〈ドッジボール〉になったのだから、こんなに嬉しいことはなかった・・・

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こんな〈note〉を書いていると、なんだかウン十年ぶりに〈ドッジボール〉がしたくなってきた。

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