
東京にいた時に住んでいた部屋は間借りのアパートだった。
木造2階建ての古い建物で、僕の部屋は1階にあった。
其々の階には、3畳、4畳半、6畳などの部屋が8部屋づつあったのだが、僕の部屋は家賃が1番安い3畳の部屋だ。家賃は1ヶ月が¥5.000―だった。
部屋には小さな押入れとガスコンロ付きのシンクだけがある部屋なのだが、それでも山手線沿線の巣鴨駅近くにあったので満足していた。
トイレは引戸を出た廊下の奥にある汲み取り式の共同トイレだった。
廊下を真ん中に、向かい合って部屋が並んでいるのだが、若い僕と同じく、殆んどの部屋は学生で埋められていた。
そして其々の部屋の住人たちは、慎ましやかに生活していたのだが、2階の4畳半の空き部屋に新しい学生が入居してから問題が起きたのだった。
彼は夜な夜な数人の友達を呼んでは明け方までドンチャン騒ぎをするようになったのだ。迷惑千万な話である。
他の住人が注意したふうも無くて、騒ぎは連日続いた。
1週間は我慢をしていた僕であったが、とうとう堪忍袋の緒が切れた。
ある日の夜中、意を決して2階に上がっていった僕は件の部屋の前に立ち、引戸を思いっ切り蹴飛ばして怒鳴った。
「コラ~~ッ❗️オメーら毎晩ウルせ~んだよっ❗️静かにせんかいバカヤロー❗️」
一瞬で静まり返った・・・・
《敵は複数だ❗️反撃されたらヤバイぞっ❗️》
「・・・・・・」
覚悟を決めて暫く待ったのだが、その部屋の中は静まり返ったままだった。
どうやら迫力勝ちしたようだ。僕は胸をなで下ろしながら、階下の3畳の間に返っていったのである。
・・・・・・・
それからひと月も経たないうちに、問題の住人は引っ越していった。
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