No.390【3畳生活】

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東京の3畳での若者の生活は貧乏であった。そして掃除洗濯なども当然、行き届いているはずがない。

部屋掃除は週に1回やればまだいいほうで、黒くて大きなゴミ袋などは5~6袋溜まるまで部屋に投げっぱなしだ。だからゴキブリに袋を噛られて穴だらけにされたことは数え切れない。

これではイカンと収集日には表通りの電信柱の下に、一気にゴミ袋を出す訳である。

ところが東京のゴミ収集の係員はシビアなのだ。袋の中にホチキスの弾が1つでも混ざっていると、係員の金属探知機がピーピーと反応して、そのゴミ袋だけが回収されないのだった。

洗濯もしかり、もう穿き替えるパンツが無くなるまでコインランドリーには行かない。だから袋イッパイの汚れ物を担いでコインランドリーに行く時には、今、穿いているパンツとシャツも脱いで洗濯物袋の中にブチ込んである。従って、ズボンの下はフリ〇ンなのだ。

そして、3~4日から、酷い時には1週間に1回行く〈銭湯〉では、ここぞとばかりに身体を洗いまくる。

今度〈銭湯〉に来るのは随分先の話である。だから思いっ切り身体を擦りまくる。

さて、スッキリとした気持ちで3畳の間に帰ってきのだが、なんだか顔がヒリヒリ痛いのだ。手鏡を出して覗いてみたら顔から血が出ているではないか❗️

顔の皮膚が擦り切れていたのだ。

風呂3回分を1回で済まそうなんて、ドダイ無理なのだった。

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