No.544【捨てられない女】

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物持ちがいいというのか、勿体無い精神が徹底しているというのか、はたまた単なるケチなのか、家内は捨てられない女なのである。

それは食べ物に関しても例外ではなくて、僅かな煮物の出し汁でも捨てないし、2・3日前のチョッと匂うんじゃないかというような残り物のオカズでも決して捨てたりはしないのだ。

食中毒になったらヤバイので僕は進言する。

「おい、これもう喰わんほうがええどぉ。いつか3日前のカレー食べて酷い目に遭っただろ」

「大丈夫よっ❗️父さんが食べなくてもアタシが食べる❗️」

とまぁ、こんな案配なのだ。

・・・・・・・

ところがどうしたことだろうか❗️

今日は冷凍してあった、大量のカボチャを捨てると言う。

「あ~これもう駄目だわ!冷凍焼けしてるから全部捨てるわ❗️」

そう言ってサイコロ状にカットされたカボチャが入っている袋を眺めている。

「はぁ~~っ❓️」

僕は耳を疑った。

あの家内があんなに沢山の、それも大好物のカボチャを捨てると言っている・・・

「生のカボチャなんだろ?まだ大丈夫なんじゃないか❓️」

「ダメダメ、冷凍焼けしてるからダメよ!捨てる❗️」

「えぇ~~っ❗️」

一体どうしたと言うんだ❗️

・・・・・・・

今日は家内の〈断捨離記念日〉だ。

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