No.543【低年式の男】

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家内が言う。

「父さんはなんでも出来るよね」

「 器用貧乏なだけだろ」

「なんだかんだ言いながら、結局はやるもん❗️」

「しょうがないからやってきただけで大したことないよ。まぁ、言ってみれば・・2流とは言わんけど、何かにつけて中途半端な人生だよなぁ」

すると家内が持ち上げてくれる。

「そんなことないでしょ」

「いやいやとんでもない、1流な訳ないから・・まぁ、1.5流の人生というか1.8流というか ・・・まぁ、 若い頃の美貌だけは1流だったけどな」

「はいはい」

「大阪出身の女の子にさぁ、これだけの人、大阪にもチョッと居てないわぁ、なんて言われたくらいなんだからな」

「それはタマタマその娘の好みだっただけなんじゃないの?」

「とにかくさぁ、男前だぁハンサムだぁって散々言われてきたわ。もう慣れっこになってたなぁ」

「それは若い時の話でしょ❗️鏡を見てご覧なさいよ!今じゃタコ焼が土左衛門になったみたいじゃん」

「還暦も過ぎりゃ酷いもんだ」

「同じイケメンでも、歳取って益々良くなる人とそうでない人がいるけど、父さんの場合はそうでないタイプだわ。残念だったね!だから昔のこと言ったって詐欺だからね」

「詐欺❗️」

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