No.545【お節介】

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僕は優しいのだ。

先日も、家内が朝から仕込んだ〈おでん〉に火を入れてやった。

その日はすぐに家内が外出したので気を利かせたのだ。昼まで帰って来ない。

〈おでん〉は煮込むほど旨いに決まっている。これで夕方にはトロけるような〈おでん〉になるに違いない。

・・・・・・・

昼前に家内が帰って来たので〈おでん〉に火を入れておいたことをこれ見よがしに伝えた。

「お帰り~ぃ!〈おでん〉煮込んどいてやったからなぁ」

「えぇっ? アタシが今からやろうと思ってたのにぃ」

そう言いながら鍋の蓋を取った家内が叫んだ。

「なによっ❗️これっ❗️父さん強火で炊いたでしょ❗️ダメよ❗️出汁が白く濁ってるじゃないのぉ~もぉ~~台無しじゃん❗️」

怒られてしまった。

良かれと思って火を入れたのが裏目に出た。

以来、〈おでん〉はアンタッチャブルになった。

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