No.560【写真撮影】 Uncategorized X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.12.03 50人くらいが集まったある催しで、写真係になっていた僕は張り切って1眼レフカメラを持参していた。スナップ写真を適当に撮った後、集合写真も無事に撮り終えてホッとしていたところへ、75歳になった知り合いのご婦人がやってきて、写真を撮って欲しいと頼まれた。75歳とは言うものの若ぶりで中々綺麗な女性である。「あっ!〇〇君!悪いけどアタシの写真を撮ってくれなぁい?」僕は快く受けた。「はい!いいですよ❗️」すると彼女が言う。「アタシもさぁ、とうとう後期高齢者になっちゃったからねぇ。遺影を撮っとかないとね!遺影を」「遺影❗️」「最近写した写真が無いのよね」どうやら彼女は本気で遺影を撮ってもらおうと思っているようだ。死期を悟っているとは考え難いほど元気イッパイである。当分の間は死にそうにない。〈そんだけ元気だったら死ぬのはまだまだ先のことでしょ、いま撮っても無駄ですよ。早過ぎて〉とは言えずに黙ってシャッターを切った。
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