No.570【達人】 Uncategorized X Facebook はてブ Pocket LINE コピー 2022.12.07 浜松の大手ピアノメーカーで寮生活をしていた20代の若い頃である。寮生の1人に〈モノマネ〉の達人がいた。但しレパートリーは1つだけだ。レパートリーが1つで何が達人なのかと言えば、唇を使って本物のような下痢の音を出すことが出来る達人なのである。そいつは唇をドナルドダックのように突き出しては、ウ〇コとオナラが肛門から吹き出す音を再現するのだ。そのリアルさといったら、まぁ尋常ではない。それを、辺り構わず披露するもんだから、皆んなは腹を抱えて笑った。あまりに本物の音なので、下品だぁ汚いだぁなどというのを通り越してしまって、寧ろ感心するくらいにそれは芸術的だった。ヤツがトイレに行く。するとウ〇コでもないのに、必ず個室に入って強烈な下痢の音を響かせるのである。だから、ソイツが男子便器でオシッコをしている姿を見たヤツは誰もいない。そして、ホントに下痢をしているのか口真似なのかを識別することが不可能な程に、完璧な芸なのである。誰だって排便中の音を他人に聞かれるのは恥ずかしいに決まっているのだが、ソイツに限って「あぁ、また口で音を出してやがるな!」と思われるのだから、本物のウ〇コの時でも心おきなく音を出せたに違いないと思う。羨ましいヤツだ。最近では、便座に座ると自動的に水の流れる音が出る便器もあるが、ソイツのは初めっから開き直って排便の音を出し捲るのだから無敵である。・・・・・・・とうとう別れの時が来て、ヤツは群馬の桐生に帰って行ったのだけれども、今でも元気に生きているのだろうか・・・
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