No.105【酔っ払い】

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若い頃はよく酒を呑んだものである。
その夜もヘベレケになってタクシーに乗ったのだが、途中で気持ちが悪くなってきた。吐きそうだ。
「運転手さん!どっか空き地があったら停めて下さい!」
「どうしました?」
「・・吐きそうなんです、すいません・・吐いたら戻って来ますから」
「あっ!はいっ!わかりました」
車内で吐かれては大変だ。運転手は適当な場所にすぐに停車してくれた。
停まっては吐き、停まっては吐きを数度繰り返してやっと自宅前に到着した。
私は律儀な酔っ払いだったのだ。

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