No.621【ストリップ】

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ひょっとしたら、〈ストリップ〉なんていう単語は、もはや死語になりつつあるのかもしれない・・

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Twitterで、ウン10年ぶりに〈ストリップ〉を観に行ったと、百田尚樹氏がツイートしていた。現在、〈あんなもの〉はネットで見放題なのだから、ワザワザ〈ストリップ〉を観に行くこともないのだろうとも言っていた。

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さて・・僕が若い頃である。会社の慰安旅行で、山陰のとある温泉に行った時だ。血気盛んな男 6人の旅行である。夕食が終わってもジッとしてなどはいられない。6人は早速、夜の温泉街に繰り出したのである。

〈射的〉をした後、まだ飲み足りないということでスナックにでも行こうかということになった。スナックはすぐに見つかったのだが、スナックの隣に〈ストリップ小屋〉があるではないか❗️

女好きの Kが言う。

「おいっ❗️ストリップ観ようやぁ❗️」

すると事務局の Nが奇特なことを言ってくれる。

「よしっ❗️今日は慰安旅行なんだから、ここの代金は会社が出すよ」

「おぉ~~っ❗️スゲ~なぁ」

「おい、大丈夫か?〈ストリップ〉が経費で落ちるんだろうなぁ?」

なんだかんだと言いながらも、皆んなは大喜びで〈ストリップ小屋〉に入っていったのだった。

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薄暗い場内に入ると、数人の先客が、スポットライトに照らされたステージ上の〈踊り子〉に視線を集中している。驚いたことに、観客の中に、1組の若いカップルが混じっている。女の子がよく入って来たものだと感心した。

〈いいよなぁカップルは❗️2人で興奮したらホテルの部屋に帰ればいいんだから・・ん?・・でも女の子が女のを見ても面白くもなんともないだろうに・・・〉

などとカップルに嫉妬しながらも、僕はステージを凝視していた。すると〈踊り子〉が言うのだ。

「チョッとそこのオニイサン❗️近くに来て見てもいいのよぉ~」

と、こともあろうに同僚のMに声を掛けたのである。照れる同僚に皆んながイケイケとけしかける。

「おいっ❗️行けよ❗️」

「せっかくオネエサンが呼んでくれてるんだぞ❗️」

引っ込みがつかなくなったMはスゴスゴとステージの前まで進んでいった。

するとオネエサンはしゃがみ込んで脚を拡げ、右手でアソコをビロンチョすると、今度は左手をMの後頭部に回して思いっ切り引き寄せたのだ。Mの顔は脚の間に埋もれてしまった。場内には拍手が沸き起こったのだが、そこには羨望の思いがこもっていたに違いない。

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結局4人の〈踊り子〉が登場してショーが終了した。

そうして、見るだけで〈お預け〉状態の興奮した6人が〈ストリップ小屋〉を出てきたのだが、いかんせん野郎ばかりだ。宿の部屋に帰ったって、1人ですることなんて、アレしかないのである。

「おいっ❗️ホテルに帰ろうぜっ❗️」

早くホテルの部屋に帰って自分で自分を慰めたいのだろうか・・女好きのKがそう言った。皆んなも賛同して帰ろうかと思ったのだが、見ると隣がスナックになっているではないか・・

「おい、呑み直そうかぁ~」

「アレ見たあとは呑むしかないでぇ~❗️」

「しかし、さっきのカップルはいいよなぁ・・俺ら、野郎ばかりじゃ、ホント色気ないよなぁ」

欲求不満の6人は、ブツブツ言いながらも、結局はスナックで自棄酒を飲むことになったのだ。

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店には年増のママがひとりいて、ボックス席に3人づつが別れて座るように案内された。テーブルに水割りの準備をしながらママが言う。

「いらっしゃい❗️今すぐに女の子が来るから待っててね」

暫くするとカウンターの奥から女の子、といってもチョッと年が嵩張っている女の子が2人出てきて、1人づつボックス席にやってきた。

同僚のMが言う。

「あれっ❓️オネエサンさん、さっきステージで踊ってなかった?」

「そうよぉ~さっきは皆さんありがとう❗️」

見ればそのオネエサンは、Mを股ぐら責めにした、あの〈踊り子〉なのである。
〈ストリップ小屋〉と〈スナック〉は同じ経営者だったのだ。

我々は、ビロンチョした手と指で作ってもらった〈美味しい水割り〉をシコタマ呑んだ後、興奮した身体を持て余しながら、トボトボと宿に帰っていくばかりであった。

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