No.671【カタログギフト】

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出産祝いのお返しに〈カタログギフト〉が送られてきた。

毎度のことだが、いくらページを繰っても取り分けて欲しい物が見当たらない。夫婦で話し合った結果、粗悪な外国製品は避けて〈日本製〉の物を貰おうということになった。

「父さん!これどぉ?包丁」
「ん~~?・・3本セットかぁ・・あっ❗️ダメダメ、〇国製じゃないか!」
「じゃぁフライパンは?」
「フライパンはまだ大丈夫だろ」
「じゃぁ何にするの?父さん決めてよ」
「よしっ❗️じゃぁ食い物にするか❗️」
「ラーメンセットは止めてよ」
「肉は・・300g?少な過ぎるなぁ」

・・・・・・・

なんやかやと、夫婦で話し合った結果〈紀州の高級南高梅干〉を貰うことになった。

・・・・・・・

ネットで注文しようとしたのだが、どういう訳か繋がらない。仕方がないので同封の専用葉書で注文することにした。

・・・・・・・

ところが葉書を投函してから2週間経っても〈梅干〉が送ってこないのだ。

「おい、カタログギフト頼んだのいつだったかなぁ?梅干が来ないなぁ」

「そうだね・・あの会社大丈夫なの?ネットは繋がらなかったし、いくらなんでも遅過ぎるわよね。葉書だから時間が掛かるのかなぁ?」

あまりにも届くのが遅い。別段〈高級梅干〉だからといって鬼のような執着心を持っている訳でもないのだが、いつまで待っても来ないからそれが気になるのだ。

「おい、電話してみようか?」
「そうね・・」

そんなことを話していると玄関のチャイムが鳴った。
「ピンポ~~ン❗️」
「チョッと父さん出てぇ~」

玄関に飛んでいってドアを開けると、小さな箱を手にした宅配便のお兄さんが立っていた。

〈紀州の高級南高梅干〉が届いたのだった。電話しなくて良かった~~っ❗️

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