No.92【理科の解剖授業】

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僕が中学の時の理科の授業では「カエルの解剖」をやっていた。
1週間後にカエルの解剖の授業をやるという。適当なカエルを捕まえてこなければならなくなった。
仲良しの友達と相談した結果、2人でカエルを獲りに行くことになった。
「おい、どこに行こうか?日曜日でええか?おう、〇〇池がええんじゃないか?ウシガエルがイッパイおるだろ、あそこ」
僕は友達に提案をした。
「ウンウン、〇〇池なら釣れるじゃろ、そうしようや」
話はすぐついた。
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さて日曜日の朝になった。2人は自転車にポリバケツや釣竿などを積んで〇〇池へと向かった。
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池に着くなり、早速、釣竿の準備をする。準備といっても至って簡単だ。竿に糸を結んで、糸の先には大きめの針、針に赤い布切れを付けておけばそれでOKなのだ。餌はいらない。
《ウォ~ッウォ~ッウォ~ッ!》
時折、鳴き声が聴こえる。
ウシガエルは池の水面に顔や目だけを出してジッとしているのだが、至るところに沢山の顔や目が覗いている。その目の前に針の着いた赤い布をそ~っと近づけるのである。
《パクッ!》《パクッ!》
ウシガエルは赤い布をパクつくので、咥え込んだところを見計らって竿を引くのだ。
その日は面白いように釣れて大きなポリバケツがウシガエルでイッパイになった。シッカリと蓋をして家に凱旋したものだ。
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さて解剖の授業の日であるが、クラスの皆んなの殆んどが「殿様ガエル」や「アマガエル」を獲ってきていたので、僕達2人は「ウシガエル」を皆んなに大盤振る舞いをすることにした。バケツイッパイのウシガエルを配りまくったら教室中がウシガエルだらけになった。
大きなウシガエルに、女の子がキャーキャー言ってはいたが、実に盛大な解剖実験になった。けれども食用ガエルなのに、誰ひとりとして持ち帰って食べようと言うヤツはさすがにいなかった。
コラ~ッ!フランスじゃ「グルヌイユ」っていって高級食材なんだぞ!後々、大人になってフレンチで食べたことがあるが、その身は鶏のササミに似ている。
*ウシガエル・・食用ガエルとも呼ばれる。

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