No.108【少年の心】

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少年達は小動物を捕まえては悪戯をした。
特別に〈可愛がられた〉のがカエルである。
カブト虫やクワガタ虫は本当に可愛がられたのだが、ことカエルに関しては、可愛がられ方の意味が全く違っていた。
・・・・・・・
それは、こんな按配であった。
捕まえた殿様ガエルを砂の上に置いて、上から空き缶で蓋をする。
次に、導火線に火を点けたダイナマイト(爆竹)をサッと中に放り込んで缶の上に重しの石を置く。
・・数秒後・・・
「ボンッ❗️」
といって缶と石が一瞬浮き上がる。
駆け寄って缶を取ってみると、白い煙の中で長い舌をベロンと出したカエルが絶命している。
・・・・・・・
聞くところによると、麦藁をストロー替わりにしてカエルのお尻から息を吹き入れ、風船ガエルにして遊んだ奴等が多かったらしいが、僕達は、そんな可哀想なことは決してやらなかった。
そして、友達の中に一人だけ、殿様ガエルの皮を生きたまま剥がして遊ぶという奴がいたので、そんなに惨いことはするなよ、と注意したことはある。
・・・・・・・
50歩100歩である。
そう・・・純真な少年達の心の中には・・《悪魔》が潜んでいるのだ。

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