No.131【ゴムのオモチャ】

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イラストを見て頂ければ分かると思うのだが、タイトルだけから内容を想像された方には謝らなければならない。残念ながらこれはエロい話ではない。
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僕が中学生の時である。ゲテモノ好きは時代を問わずに存在するものだ。
当時、クラスの男子の間では、密かにゲテモノなオモチャが流行っていた。
玩具店の、ちょっと奥まったところにあるガラスケースの中には、ゴムで出来た〈ムカデ・ゴキブリ・みみず〉や、グロいところでは〈ちぎれた親指〉とか、定番の〈蛇〉などが並べられていたのだが、中でも特に完成度が高かったのが〈ウ〇コ〉だった。
ある日の放課後、1人の友人がニヤニヤしながら話し掛けてきた。
「おい、ええもん見せてやろうか・・」
そう言ってポケットからなにやら取り出した。
彼の手の平には、例の〈ウ〇コ〉が乗っかっていた。
実はウ〇コには2種類あって、普通のウ〇コと、蝿が集ったものとがあったのだが、彼のは普通の方だった。彼は賢明な選択をしたと思う。
蝿は余計な演出なのだ。ウ〇コを買ったヤツを誉めるのもどうかと思うのだが、彼のセンスに敬意を表する。
「おぉ~っ!凄いなぁ買うたんじゃ~」
「そうじゃ、昨日買うたんじゃ、まだ誰も持っとらんじゃろ。今から皆んなを驚かそうやぁ」
友人はなにやら悪いことを企んでいるようだった。
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2人で校庭の裏に行き、通路にゴムの〈ウ〇コ〉を置く。そのまわりにクシャクシャにしたチリ紙(当時はティッシュペーパーなどない)を散らしておいて、ご丁寧にも空缶に入れてきた水をバラ撒いておく。
そうして誰か獲物になる生徒が通るのを待った。
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するとテニス部の男子3人がこっちのほうへ歩いてきた。
友人が地面の〈ウ〇コ〉を指差して話し掛ける。
「これ見て~・・」
促されて地面を見たテニス部員の1人が驚いた声を出した。
「えぇ~っ!なにこれ~・・ウ〇コしとるじゃん!道路でようするなぁ❗️」
すると友人はそれをチリ紙で包んで手に持った。
「わ~っ!汚ないっ!触るな~っ❗️」
驚いて声を挙げるテニス部員たちに向けて投げつける。
「わぁ~~~~っ❗️」
走って逃げるテニス部員たちを、再び拾った〈ウ〇コ〉を持ってさらに追っかけていった。
相手が柔道部員だっら多分やってはいなかっただろうと思う。
相手を見極めていたことだけは賢明だったと思う。
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さて、冒頭にお断りしたようにエロい話ではなかったのだが、それ以上にどうしようもなく下品な話であったことを重ねて謝らなければならないと思っている。

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