No.132【ラッパ飲み】

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まだ20代のころに寮生活をしていたことがある。部屋には2段ベッドがあって1部屋に2人が入っていた。
ある土曜日の夕方であった。同室の寮生が酒を飲もうと言って1升瓶を取り出した。
夕飯までには少し時間があったので早速飲むことにした。ツマミなどは一切ない。日本酒のみである。
小さなテーブルを真ん中にして向かい合うように座り、真新しい一升瓶の封を開けて交互にラッパ飲みをした。
ものの10分も経たないうちに瓶が空になった。空きっ腹に5合づつの冷や酒が入った。
暫くして夕食を知らせるチャイムが鳴ったので2人で食堂に行った。
食べ終わって部屋でゆっくりしていたのだが、なんだか目が回ってきて、寝っ転がっていると天井がグルグル回り始めた。
小1時間も経っただろうか、気持ちが悪くなってきた。冷や酒が効いてきたのだ。吐きそうだ。
2段ベッドの上にいた僕はフラフラしながら下に降り、歩くと横に傾いて壁にぶち当たるので、這いながらトイレへと急いだ。
当時はすべてが和式便器だったので、僕は便器を抱えるようにうつ伏せになってヘタり込んだ。
・・・・・・
結果、夜通し吐き続けてもまだ足りず、日曜日の夕方まで便器を抱えていたのだった。
下手をすると死んでいただろう・・いや、もう充分に下手をしていた。

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