No.137【海ぶどう】

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沖縄らしい食べ物の1つに〈海ぶどう〉がある。

古宇利島の売店では〈もずく〉〈アオサ海苔〉などと一緒に〈海ぶどう〉が売られていた。1パックが¥500―という安さだった。透明なパックに入れられて、常温のまま陳列棚に並べられている。

売店で買い物を楽しんでいたら、アッという間に出発の時間が迫ってきた。名残惜しいがバスに戻ることにした。

綺麗な海と白い砂浜を堪能した後、買った〈海ぶどう〉を手にして古宇利島を後にした。

・・・・・・

バスの中では、ガイドさんが古宇利島観光の感想を訊いている。

「皆様、古宇利島はいかがだったでしょうか。〈海ぶどう〉が名物なんですが・・・」

「は~い!買いましたよ~っ!」

数人のツアー客が返事をする。

「はい、この〈海ぶどう〉なんですが、実は海で採れるわけではないんです」

「えぇ~~っ❗️」

皆んなが驚いている。彼女の話では〈海ぶどう〉は海ではなくて、海洋深層水を使って、ハウスで栽培しているんだそうである。沖縄では、昔からサトウキビ栽培が主流の地元産業だったのだが、最近では、〈海ぶどう〉ブームの波に乗って、サトウキビから、より利益が見込める〈海ぶどう〉栽培に鞍替えする人が多いということだ。

《そう言えばバスガイドさんが言ってたなぁ。〈海ぶどう〉は冷蔵庫に入れると傷むらしい》

〈海ぶどう〉は〈丘ぶどう〉だった。

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