
まだ白黒テレビの時代である。僕が小学校から帰って来る時間帯に〈メロドラマ〉と呼ばれた番組があって、母親たちに絶大な人気を誇っていた。
当時は、どの家にもテレビがある訳ではなかったので、テレビがある家に仲の良いオバチャンたちが数人集まってはお目当てのドラマを見ていた。
その内容はと言えば、男と女の愛憎劇であって、ちょっとエッチで非常にドロドロしたものだったので、母親たちがそれを見ている時は、見て見ぬふりをする子供たちであった。
娯楽の少ない時代だ。オバチャンたちは恐ろしい程ドラマにのめり込んだ。
・・・・・・・
テレビ画面では、薄幸のヒロインに悪い男が迫っている。
「あぁ~アイツが出て来た❗️早う逃げなさいよ!」
「また騙されるよっ❗️」
「この女、またよろめくんかぁ~馬鹿~ぁ」
「コイツは悪い男じゃ!また泣かされるわぁ・・・でも、憎たらしいけど、確かにええ男じゃからねぇ・・付いて行くよねぇ・・・」
オバチャンがよろめいているではないかっ❗️
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