No.7【とまりますボタン】

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バスに乗っていたら、男子学生二人の会話が耳に入ってきた。
「オレ、こないだバスに乗ってたらさぁ」
「あぁ」
「おばあさんが降りようとしてボタンを押そうとしているわけよ」
「うん」
「でもなぁ、おばあさん、背が低いんでボタンに手が届かないんだ」
「ふん」
「んで、可哀想なんで、オレがボタンを押してあげたんだよ」
「いいことしたじゃん」
「んで、バス停に着いてドアが開いたわけよ」
「ふん」
「でもさぁ、おばあさん、降りないんだよ、ドア開きっばなしだしよぉ」
「ほかのお客は降りなかったのか?」
「あぁ」
「で、お前どうしたんだよ」
「しょうがないからオレが降りたよ」
「お前が降りるバス停じゃないだろ?」
「あぁ、オレが降りるバス停はまだ三つ先だよ」
「お前バカじやないのか?」
「仕方ねぇだろ!どうしろってんだよ!」
聞いていた私は笑いをこらえるのに必死だった。

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