No.194【ザリガニ釣り】

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少年時代には、結構〈ザリガニ〉を釣りに行った。

ザリガニには寄生虫のジストマがいるからとか言って食べる習慣は無かったのだが、僕は1度だけ食べたことがある。姿が伊勢海老に似ているので、友達が食べてみようと提案をしたから2人で茹でて食べてみたのだ。

頭の部分は気持ちが悪いので、後ろのアルマジロのような所の殻を剥いて、塩を振り掛けて食べてみた。白くてコリコリしていてなかなか旨いのだが、気持ちが悪いという先入観が旨さを半減していたかもしれない。フランス料理では高級食材として使われるようだが、なんだか今でもあんまり食べたいとは思わない。

ザリガニは池とか田圃のほとりの小川などに住んでいる。
小さな竿と糸、そして適当な釣り針があれば釣ることが出来た。餌はスルメがベストだった。スルメがあれば釣果が期待出来たのだが、ザリガニにやるのが勿体なくて僕たちのオヤツになることが多かった。だから布切れを餌代わりにすることが殆んどだ。

池や小川の縁の水の中をよく見ると、小さな穴が空いている。そこがザリガニの巣なのだ。穴から顔を出しているものもいる。顔を出している場合は布切れで釣れたが、顔を出していない場合には、巣の前に、辛うじて残しておいたスルメをチラつかせて誘い出す訳である。

そうして誘き出されたザリガニの顔の前にスルメを持っていくと、左右の大きな爪でスルメを挟むのだが、そこを慌てずにゆっくりと引っ張り上げて捕まえるのだ。だから厳密に言えば、針が無くても、スルメや布切れを糸に結んでおけばザリガニは獲れたのだ。
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ある日、ブリキのバケツ一杯のザリガニを釣って帰ったことがあった。それを友達が家の前の道路にひっくり返したもんだから、山のようになったザリガニが辺り一面に這い出した。慌てて捕まえてはバケツに戻すのだが、友達も僕もザリガニのハサミに何度も指を挟まれて大いに痛かった。
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図鑑には〈アメリカザリガニ〉の他に、青い色をした〈ニホンザリガニ〉というのが載っていたのだが、ついぞ一度もお目に掛かることはなかった。

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