No.501【靴】

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サスペンスドラマを見ていてふと思った。

〈飛び降り自殺〉のことである。

ドラマでは、脱いだ靴をキチンと揃えたあと・・それから飛び降りるというパターンが多いように思う。

はたして本当なのだろうか・・・?

今から死のうという人間にそのような理性が働くのだろうか?
働かないと思うのだ。

理性が働く余地があるんなら死ぬことを思い留まれるんじゃなかろうか・・・?
実際のところはどうなんだ?

自分でやってみれば分かるのかもしれないが、今のところ僕には死ぬ気なんて毛頭ないし・・・

力いっぱい想像してみると、飛び降りる時には、靴をどうのこうのなんて考える余裕なんてないはずだから、きっと履いたまま飛び降りるに違いない、という結論に達する。

だから、仮に僕が飛び降り自殺をしたならば、靴を履いたままの死体が横たわることになる、ということだ。

そう言えば、いつぞや、自殺するならどんな死に方がいいかと友人に訊ねたことがある。

すると、ソイツはこう言った。

「飛び降りは恐いし・・飛び込みは冷たいし・・首吊りは死体のザマがみっともないし・・・ガスはもしも引火して爆発したら迷惑を掛けるし・・練炭は苦しそうだし・・毒なんかはもっと苦しそうだし・・・・凍死は寒いしなぁ」

ハッキリしない友人に僕は言ってやった。

「死ぬヤツが贅沢いうなよっ!なんだっていいじゃないか、死に方なんて・・要するに死にゃぁいいんだろ?」

「そうはいくかよっ!死に方を選ぶ権利だってあるんだからなっ❗️」

「はいはい分かった分かった・・でもなぁ・・爆発したら迷惑だの・・第一自殺すること自体が大迷惑なんだからなっ!揚げ句にゃ、苦しいだぁ寒いだぁって、お前にゃ自殺なんて永久に無理ムリムリッ❗️1.000年生きてろっ❗️」

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