
「おかしいわねぇ・・確かこの辺だって言ってたのに・・・」
御主人の転勤で北海道から中国地方のH市にやってきた彼女は、親しくなった家内と約束をした場所に来たつもりなのだが、指示された目標物が見当たらないので戸惑っていた。
暫くのあいだ辺りをウロウロしていると、後ろから軽くクラクションが鳴った。
振り向くと、停車したクルマの中から家内がニコニコしながら手を振って「乗って乗って!」と言っている。
彼女が乗り込むと、クルマは数十メートル先のコンビニの駐車場に入っていった。
彼女が言う。
「お迎えありがとう❗️よかった~会えて・・迷ってたのよ、目印の〈ポプラ〉が見当たらなくってね」
「えっ? 〈ポプラ〉ってここだよ」
「えっ?どういうこと❓️ どこにあるの?〈ポプラ〉」
「どこって、ここが〈ポプラ〉だよ」
「ええっ?ないよ〈ポプラ〉なんか」
「だからここが〈ポプラ〉なのっ❗️あの看板見て❗️」
「・・・ポ・プ・ラ・・えっ?〈ポプラ〉ってコンビニの名前なの?」
「そうだよ、コンビニのチェーン店なのよ」
「もう~~な~んだぁ、北海道には無いもんねぇ、〈ポプラ〉ってコンビニ」
「こっちの方にはイッパイあるんだけどねぇ・・西日本に多いんじゃないかなぁ? そうかぁ、北海道には無いんだぁ」
「うん!だから〈ポプラの木〉ばかり探してたのよぉ~ハハハッ❗️」
笑いながらも、新しい土地での生活に慣れてきたと思っていたのに、また少し不安を覚え始めた彼女なのであった。
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